「シーズーは耳の病気が多い」と読んで心配になり、獣医さん向けの資料を中心に調べました。
分かったのは、シーズーは耳の形で外耳炎になりやすい条件を持っているけれど、全犬種の中で飛びぬけて多いわけではないということ。
そして、綿棒を耳の中に入れるやり方は、専門家にすすめられていないということでした。
この記事では、あんずの耳の様子と、においや耳あかの色で分かること・分からないこと、家での耳掃除と病院へ行く目安をまとめます。
ハル
綿棒でふくと、黄色いのが付いてくるし…。
あんず
ちょっとかゆいときはあるけど…頭もぶるぶるしちゃうもん!
レオ
「シーズーは耳の病気が多い」って書いてあるのを、ハルが見つけたんだよ。
タル吉
ハル
シーズーのあんずの耳|すっぱいにおいと綿棒に黄色い耳あか
あんずの耳は、ふさふさの毛におおわれた垂れ耳です。
ときどき耳が蒸れて、すっぱいにおいがします。
綿棒でふくと、黄色い耳あかが付いてきます。

耳の入り口のまわりにも毛がたくさん生えています。
わが家でしていることと、あんずの様子をまとめると、こうなります。
- においが気になったら、半月に1回くらい、薬局で買った市販のイヤークリーナーを入れている
- 綿棒でふくと、黄色い耳あかが付く
- 耳をかく・頭をぶるぶる振ることがある
- 前に動物病院へ行ったとき、耳の毛を抜いてもらったことがある
- トリミングのときにも、耳の毛を抜く・切るなどしてもらっている
「シーズーは耳の病気が多い」という話は、どこかのホームページで読みました。
本当なのか、このままのお手入れでいいのかが気になって、調べてみることにしました。
シーズーは耳の病気が多い?外耳炎のデータで見ると
犬の耳の病気でいちばん多いのは、耳の穴の入り口から鼓膜までの皮ふに炎症が起きる外耳炎です。
イギリスの動物病院の記録をまとめた調査(VetCompass)では、1年間に外耳炎で受診した犬は7.3%。犬の病気の中でも、とても多いものの1つでした。
垂れ耳の犬は、立ち耳の犬より外耳炎になりやすい
同じ調査で、耳の形と外耳炎の関係も調べられています。
垂れ耳の犬は、立ち耳の犬にくらべて約1.8倍、外耳炎になりやすいという結果でした。
耳の中に毛が多いと、風が通りにくく湿気がこもり、耳あかが外へ出ていきにくくなる、とも書かれています。
シーズーは垂れ耳で耳の中の毛も多いので、なりやすい条件はそろっている犬種です。
でも、シーズーの外耳炎は「飛びぬけて多い」わけではない
一方で、同じ VetCompass がシーズーだけを調べた報告では、シーズーの外耳炎は4.7%でした。
意外にも、シーズーは全犬種の平均より低い数字でした。
「耳の病気が多い」というより、垂れ耳と耳毛で、なりやすい条件を持っている犬種と考えるのがよさそうです。
ただし、シーズーは皮ふのアレルギー(犬アトピー性皮膚炎)が出やすい犬種で、アトピーがある犬は外耳炎をくり返しやすいとされています。
犬の耳が臭い・耳あかが黄色いのは異常?においと色で分かること
健康な耳は、ほとんどにおいがしません。
耳の皮ふは、古い角質や耳あかを奥から外へ少しずつ送り出すしくみを持っていて、ふつうは耳あかが奥にたまることはありません。
綿棒に黄色い耳あかが付くのは?
調べた資料では、うすい黄色の耳あかが少し付くだけで、においもかゆみも赤みもなければ、ふつうの範囲のことが多いとされていました。
反対に、ドロッとした黄色い膿のようなものだったり、いやなにおいがしたり、痛がったりするときは、細菌が増えていることがあるそうです。
すっぱいにおいは、カビの仲間が増えたサインのことがある
すっぱい・発酵したようなにおいは、マラセチアという酵母(カビの仲間)が増えたときに多いにおいだそうです。
マラセチアは健康な耳にもいるのですが、湿気やアレルギーで増えすぎると、こげ茶〜黒っぽいベタベタした耳あかが出てきます。
細菌が増えたときは、黄色〜緑の膿と、もっと強いくさったにおいになることが多い、とされていました。
ただし、においと色だけで原因は決められません。
実際には、カビと細菌が一緒に増えていることが多く、病院では耳あかを顕微鏡で見て、どの薬を使うかを決めます。
あんずの耳も、すっぱいにおいがするからといって、わが家で原因を決めつけないようにしています。
シーズーの耳掃除のやり方|綿棒は奥に入れない・イヤークリーナーと耳毛
調べていちばん「えっ」と思ったのが、綿棒のことでした。
綿棒は耳の中に入れない
獣医さん向けの資料では、綿棒を耳の穴に入れるのはすすめられていません。理由は2つです。
- 耳あかやカビ・細菌を、かき出すどころか奥へ押しこんでしまう
- 犬の耳の穴はL字に曲がっていて皮ふがうすく、こすると小さな傷ができて、そこから炎症が起きることがある
わが家は綿棒でふいていたので、ここは見直さないといけないと思いました。
ふくのは、指が届く、見えているところだけにとどめるのがよいそうです。
イヤークリーナー(洗浄液)の使い方
資料に書かれていた、イヤークリーナーの使い方はこうでした。
- 耳の穴にイヤークリーナーを入れる(いやがるときは、液をたっぷりふくませたコットンを入り口に当てる)
- 耳の付け根を外からやさしくもむ(クチュクチュと音がする)
- 手をはなして、犬に頭をぶるぶる振らせる。奥の汚れと液が外へ出てくる
- 出てきた汚れを、湿らせたコットンで、見えるところだけやさしくふく(こすらない)

この動きで、奥の汚れと液が外へ出てきます。
回数は、獣医さんに言われていなければ、週に何回もするものではないとされていました。
健康な耳には、そもそも耳掃除はいらないことが多く、洗いすぎると耳の中がふやけて、かえって菌が増えやすくなるそうです。
わが家は、においが気になったときに半月に1回くらい。資料を読むかぎり、やりすぎではなさそうです。
耳の毛は抜く?切る?
シーズーやトイプードルは耳の中に毛が多いので、トリミングや病院で耳の毛を抜くことがよくあります。あんずもそうです。
ところが、最近の獣医皮ふ科の考え方は、こう変わってきています。
- 外耳炎になっていて、毛が薬の届くじゃまになっているときは、獣医さんの判断で取ることがある
- 炎症のない健康な耳の毛を、いつも決まって抜くのはすすめない。抜くこと自体が、毛穴や皮ふに炎症を起こすことがある
- 汚れがからまるなら、ハサミやバリカンで根元から短く切るほうが安全
あんずの耳の毛を病院で抜いてもらったのは、獣医さんがその時の耳を見て決めたことです。
トリミングでいつも抜くのがいいのかは、資料を読んで気になったところです。耳に赤みやにおいがないときの耳毛のお手入れは、トリマーさんや獣医さんに相談してみたいと思います。
ハル
シーズーの外耳炎|病院へ行く目安と治療・費用
資料にあった「病院へ行ったほうがいいサイン」は、次のとおりです。
- 頭をよく振る・後ろ足で耳をかく・床や家具に耳をこすりつける
- 耳あかが急に増えた・ドロッとしている・真っ黒や黄色〜緑
- すっぱい・くさったような強いにおいがする
- 耳の入り口が赤い・はれている・熱い
- 耳をさわると痛がる・鳴く・怒る
- 頭をいつも片方にかたむけている
あんずにも、耳をかく・頭を振る様子があります。
においと一緒にこうした様子が続くときは、家で様子を見続けずに、病院で耳を見てもらうのがよさそうです。
放っておくとどうなる?
外耳炎をきちんと治さずにくり返すと、耳の穴の皮ふが厚くなって穴がせまくなったり、鼓膜の奥(中耳)まで炎症が広がったりすることがあります。
ここまで進むと、耳の穴を取る大きな手術が必要になることもある、とされていました。
病院でする検査と治療
- 耳の中をのぞく検査(はれ・耳あかの量・鼓膜が破れていないか)
- 耳あかを顕微鏡で見る検査(カビか、どんな細菌か)。薬を選ぶいちばん大事な検査
- 病院での耳の洗浄
- 検査の結果に合わせた点耳薬(細菌・カビをおさえる成分と、炎症をおさえる成分が入ったもの)。1回入れると数週間効く薬もある
費用の目安
病院や地域、耳の状態によって大きく変わります。くり返すアレルギーが関係しているときは、検査が増えて高くなることもあります。
シーズーの耳のにおい・耳あか、よくある質問
シーズーは耳の病気が多い?
垂れ耳で耳の中の毛も多く、外耳炎になりやすい条件を持っています。ただ、イギリスの調査ではシーズーの外耳炎は4.7%で、全犬種(7.3%)より低い数字でした。皮ふのアレルギーがあると、くり返しやすくなります。
犬の耳あかが黄色いのは病気?
うすい黄色の耳あかが少し付くだけで、においもかゆみも赤みもなければ、ふつうの範囲のことが多いとされています。ドロッとした膿のよう・いやなにおい・痛がる、といったときは病院で見てもらいましょう。
犬の耳が酸っぱいにおいがするのはなぜ?
すっぱい・発酵したようなにおいは、マラセチアという酵母(カビの仲間)が増えたときに多いにおいです。ただし、においだけでは原因を決められないので、続くときは病院で耳あかを調べてもらいます。
犬の耳掃除に綿棒を使ってもいい?
耳の穴の中に入れるのはすすめられていません。汚れを奥へ押しこんだり、皮ふに傷をつけたりするためです。ふくのは、見えているところだけにします。
犬の耳掃除はどのくらいの頻度?
健康な耳なら、汚れが見えたときにふく程度で十分とされています。獣医さんに言われていなければ、週に何回もするものではありません。
参考:O’Neill DG ほか「Frequency and predisposing factors for canine otitis externa in the UK」(Veterinary Dermatology)/RVC VetCompass「New research highlights surprisingly good health characteristics in Shih Tzu dogs in the UK」/MSD Veterinary Manual「Otitis Externa in Animals」/JAVMA「Managing recurrent otitis externa in dogs」/「Suppurative Malassezia Otitis Externa」(2025)
ハル
週1回のあんずと、歯周病で歯が抜けた16歳のレオの歯みがきを、獣医さん向けの資料と比べました。
あんず
でも、かゆいのが続いたら病院なの?
ハル
綿棒は奥に入れないで、見えるところだけ。あんずの耳、これからもやさしく見ていくよ。









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