キャバリアとアメリカンコッカーの違いは?大きさ・毛・病気を比べた

長くたれた耳に、絹のようにつやのある毛。キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルとアメリカン・コッカー・スパニエルは、どちらも「スパニエル」の名を持つ犬です。

ところが犬種標準を並べると、毛の扱いは正反対でした。キャバリアは「トリミングは一切しない」犬、アメリカン・コッカーは月1回のサロンが必要な犬です。

この記事では、犬種図鑑で調べた2犬種の大きさ・歴史・毛と毛色・性格・お世話・気をつけたい病気の違いを表でまとめます。

ハル

キャバリアとアメリカン・コッカー、どっちも耳が長くてふさふさだよね。
犬種図鑑の記事を並べて、違いを調べてみたよ。

あんず

あんずも垂れ耳なの!
お耳の長い犬さん、どっちがどっちなの?

レオ

キャバリアはイギリスの愛玩犬、アメリカン・コッカーはアメリカの鳥猟犬なんだ。
キャバリアはカットしないけど、コッカーは月1回のサロンがすすめられているんだって。

タル吉

ふむ……似た耳でも、片方は騎士の名、片方は猟の犬か。
生まれた国も仕事も、ずいぶんちがうのう。

ハル

そうなんだ。気をつけたい病気も、心臓と目でちがっていたよ。
じゃあ、表から順番に見ていこうね。

キャバリアとアメリカン・コッカーの違いを表で比較|大きさ・原産

犬種標準と、ジャパンケネルクラブ(JKC)の2025年の登録頭数を並べました。

数字は、犬種図鑑の各記事(キャバリア・アメリカン・コッカー・スパニエル)で調べたものです。

キャバリア アメリカン・コッカー
原産 イギリス アメリカ
用途 愛玩犬 フラッシング・ドッグ(鳥を飛び立たせる猟犬)、家庭犬
体高 規定なし 理想はオス約38cm、メス約36cm(超えすぎると失格)
体重 5.4〜8kg 規定なし(目安はオス約11〜13.5kg、メス約9〜11kg)
JKC登録(2025年) 3,471頭・第17位 2,322頭・第26位
平均寿命 12.3歳 13.0歳

平均寿命は、アニコム損保の「家庭どうぶつ白書2023」によるものです。アメリカン・コッカーの体重の目安は、茂木千恵獣医師が監修した解説から。

大きさの決め方がちがいます。キャバリアは体重だけ、アメリカン・コッカーは体高だけが犬種標準で決まっていました。アメリカン・コッカーは「スポーティング・グループでいちばん小さい」犬ですが、体重の目安で比べると、キャバリアよりひとまわり以上大きい犬です。

日本ではどちらも人気の犬種で、キャバリアが3,471頭、アメリカン・コッカーが2,322頭でした。

歴史の違い|「騎士」の名のキャバリア、鳥猟犬のアメリカン・コッカー

キャバリア アメリカン・コッカー
祖先 キング・チャールズ・スパニエル イングリッシュ・コッカー・スパニエル
生まれ マズルが短くなったキング・チャールズ・スパニエルの、昔の姿を取り戻そうとする運動から 1870〜1880年ごろにアメリカへ紹介された祖先から、アメリカでつくられた
名前 「キャバリア」は中世の騎士のこと アメリカのコッカー・スパニエル

キャバリアは、キング・チャールズ・スパニエルよりやや大きく、マズル(口吻)が長いのが特徴です。マズルの短い姿に変わっていったキング・チャールズ・スパニエルに対して、昔の姿を取り戻そうとして生まれた犬で、名前の「キャバリア」は中世の騎士のことでした。

アメリカン・コッカーは、草むらから鳥を飛び立たせる猟犬です。犬種標準には、がっしりとまとまった体で、かなりのスピードとすぐれた持久力を兼ね備えている、と書かれていました。ディズニー映画「わんわん物語」の主人公としても知られています。

ハル

アメコカの祖先、イングリッシュ・コッカーのことはこちら🐕
アメリカン・コッカーとの違いもまとめました。

毛と毛色の違い|カットしないキャバリア、サロンが必要なコッカー

キャバリア アメリカン・コッカー
被毛 長く、絹のようで、巻き毛はない(軽いウェーブは可)。飾り毛が豊か 頭は短く細かく、体はほどよい長さ。下毛があり、耳・胸・お腹・足に飾り毛
トリミング 犬種標準に「トリミングは一切しない」 月1回はサロンでシャンプーやカット。背中に電気バリカンは望ましくない
毛色 ブレンハイム、トライカラー、ルビー、ブラック&タンの4色だけ ブラック、ブラック以外の単色(ASCOB)、パーティカラーの3区分
耳 大きな垂れ耳 目の下の高さから長くたれる耳

いちばんの違いはカットです。キャバリアの犬種標準には「トリミングは一切しない」とはっきり書かれていて、サロンでのカットはいりません。アメリカン・コッカーは毛量がとても多く長いので、月1回くらいのサロンが必要とされていました。

毛色も決まり方がちがいます。キャバリアは4色だけで、ブレンハイムの耳の間にある「ひし形の斑」がこの犬種独自の特徴とされていました。アメリカン・コッカーは、単色の子は胸やのど以外の白が失格、タンの模様は全体の10%以下と、細かく決められています。

キャバリアの4つの毛色、ブレンハイム・トライカラー・ルビー・ブラック&タンを並べて比べたイラスト
キャバリアの4色。
左のブレンハイムは、頭のまん中のひし形の斑が目印です。
ブラック、バフ(クリーム色の単色)、黒白のパーティカラーのアメリカン・コッカー・スパニエル3匹が並ぶイラスト
アメリカン・コッカーは、ブラック・単色・パーティカラーの3区分。

性格の違い|友好的なキャバリア、穏やかで陽気なコッカー

キャバリア アメリカン・コッカー
犬種標準の性格 運動好きで、愛情深く、恐れ知らず。明るく、友好的で攻撃性はない。神経質な傾向も見られない 気質は穏やかで、臆病さはまったくない。のびのびと陽気
解説でよく言われること 賢く穏やかで愛情深く、とても社交的 穏やかで明朗、訓練性能も高い。警戒心と独立心もあり、しつけをしないと頑固な面が出ることも

どちらも明るく人なつこい犬とされていますが、書かれ方には少し差がありました。キャバリアは「友好的で攻撃性はない」と、だれにでも物おじせず近づいていくタイプ。

アメリカン・コッカーは、研究では飼い主への攻撃性や見知らぬ人を怖がる傾向が、ほかの人気犬種と比べてやや高いという結果も報告されていました。生後3〜14週ごろの社会化期に、いろいろな人や音に慣れさせることが大切だそうです。性格には個体差があるので、あくまで一般にそう言われている、というお話です。

お世話の違い|ブラッシングは毎日と2日に1回、耳はどちらも大事

キャバリア アメリカン・コッカー
散歩 運動好き。毎日の散歩やおもちゃでの遊びで体を動かす 1日2回、30分〜1時間くらい
ブラッシング 毎日。ダブルコートで換毛期はよく抜ける できれば2日に1回くらい
サロン カットは不要(足裏や耳の中など衛生のためのお手入れはある) 月1回くらい
耳のお手入れ においや汚れをときどき確かめる 週1回は耳の中をチェック、月1回くらい耳掃除

キャバリアはカットがいらないぶん、毎日のブラッシングと抜け毛の掃除に時間がかかります。アメリカン・コッカーはブラッシングに加えて、月1回のサロン代も見込んでおきたい犬種です。

どちらも長い垂れ耳なので、耳のお手入れは共通の大事なポイントでした。アメリカン・コッカーは、ごはんのときに耳の先がお皿に入ってしまう子もいるそうです。

目の下の高さから長くたれさがる、飾り毛のついたアメリカン・コッカー・スパニエルの耳を横から描いたイラスト
目の下の高さから、長くふさふさとたれるコッカーの耳。
この形が、蒸れやすさにもつながります。

かかりやすい病気の違い|キャバリアは心臓、コッカーは耳と目

病気 キャバリア アメリカン・コッカー
僧帽弁閉鎖不全症(心臓) ○ 若いうちから —
拡張型心筋症(心臓) — ○
脊髄空洞症(キアリ様奇形) ○ —
耳の病気 ○ 原発性分泌性中耳炎(PSOM) ○ 外耳炎・耳の腫瘍
目の病気 ○ ドライアイなど ○ 白内障(若年性も)・緑内障・チェリーアイ・進行性網膜萎縮
膝蓋骨脱臼 ○ ○
発作性転倒(エピソディック・フォーリング) ○ —
脂漏症・脂漏性皮膚炎 — ○
肝臓の病気 — ○
自己免疫性溶血性貧血 — ○

「○」は、図鑑の記事で気をつけたい病気として挙げたものです。

キャバリアでいちばん大事なのは心臓です。僧帽弁閉鎖不全症は、ほかの犬種では最初の診断が平均12歳なのに対し、キャバリアは平均6.5歳という解説がありました。元気な若いうちから、聴診を受けておきたい犬種です。

アメリカン・コッカーは耳と目。長くたれた耳は通気性が悪く外耳炎になりやすく、白内障は2歳以下で起こる若年性のものもあるとされていました。1歳以内に出る脂漏症は、遺伝的な体質が原因のことがあるそうです。

ここに挙げたのはあくまで気づくためのきっかけで、診断ではありません。気になる様子があれば動物病院に相談してください。

キャバリアとアメリカン・コッカー、よくある質問

Q. キャバリアとアメリカン・コッカーの見分け方は?
A. 毛色が手がかりです。キャバリアは4色だけで、ブレンハイムは頭のまん中にひし形の斑があります。アメリカン・コッカーはブラック・単色・パーティカラーで、耳が目の下の高さからたれています。

Q. どっちが大きい?
A. アメリカン・コッカーです。キャバリアは5.4〜8kg、アメリカン・コッカーの目安はオス約11〜13.5kg、メス約9〜11kgです。

Q. トリミングがいらないのは?
A. キャバリアです。犬種標準に「トリミングは一切しない」と書かれています。ただし毎日のブラッシングは必要です。

Q. 気をつけたい病気のちがいは?
A. キャバリアは若いうちからの心臓の病気、アメリカン・コッカーは外耳炎と目の病気が多く挙げられていました。

ハル

似ている犬種くらべ、小さなテリア3犬種も🐕
ケアーン・ノーリッチ・ノーフォークを表で比べました。

あんず

ひし形もようがキャバリアさん、大きいほうがコッカーさん、もう見分けられるの!
あんずも、お耳のお手入れがんばるもん!

ハル

似た垂れ耳でも、毛の扱いも病気もちがったね。
次も、似ている犬種どうしを比べてみるね。

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