ケアーンテリアとノーリッチとノーフォークの違いは?耳・大きさ・お手入れ

ぼさっとした硬い毛の、小さなイギリスのテリア。ケアーン・テリア、ノーリッチ・テリア、ノーフォーク・テリアは、写真で見るとよく似ています。

見分けるいちばんの手がかりは耳と大きさでした。ノーフォークだけが垂れ耳、ケアーンは3犬種の中でひとまわり大きい犬です。

この記事では、犬種図鑑で調べた3犬種の大きさ・耳・歴史・毛色・性格・お世話・気をつけたい病気の違いを表でまとめます。

ハル

ケアーン、ノーリッチ、ノーフォーク。どれもぼさっとした毛の小さなテリアだよね。
犬種図鑑の記事を並べて、違いを調べてみたよ。

あんず

3びきとも、そっくりなの!
あんず、どれがどれかわからないもん!

レオ

ノーリッチとノーフォークは、1964年まで同じ犬種だったんだ。
立ち耳がノーリッチ、垂れ耳がノーフォークになったんだって。

タル吉

ふむ……ケアーンは「積み石」という意味の名じゃったな。
石のすき間にもぐって獣を追い出す、勇ましい者たちじゃ。

ハル

そうそう。3犬種とも、穴にもぐって働いていたテリアなんだ。
じゃあ、表から順番に見ていこうね。

ケアーン・ノーリッチ・ノーフォークの違いを表で比較|大きさ・耳

犬種標準と、ジャパンケネルクラブ(JKC)の2025年の登録頭数を並べました。

数字は、犬種図鑑の各記事(ケアーン・テリア・ノーリッチ・テリア・ノーフォーク・テリア)で調べたものです。

ケアーン・テリア ノーリッチ・テリア ノーフォーク・テリア
原産 イギリス(スコットランド) イギリス イギリス(イングランド東部)
分類(FCI) 第3グループ(テリア) 第3グループ(テリア) 第3グループ(テリア)
耳 立ち耳 立ち耳 垂れ耳
体高 約28〜31cm 理想25cm 理想25〜26cm
体重 理想6〜7.5kg — オス・メスとも5〜6kg
JKC登録(2025年) 82頭・第64位 39頭・第83位 169頭・第50位
平均寿命 — — 12.4歳

「—」は、図鑑の記事で信頼できる数字が見つからなかったところです。ノーフォークの体重と平均寿命は、ヤマザキ動物看護大学の福山貴昭准教授が監修した解説によるものです。

ノーリッチとノーフォークは、どちらも犬種標準で「もっとも小さいテリアのひとつ」とされていて、理想の体高はほぼ同じ25cm前後。ケアーンは約28〜31cmで、3犬種の中ではひとまわり大きく、がっしりした体つきです。

日本ではどれも珍しい犬種で、いちばん多いノーフォークでも年に169頭でした。

垂れ耳のノーフォーク・テリアと立ち耳のノーリッチ・テリアを並べて耳の形を比べたイラスト
左が垂れ耳のノーフォーク、右が立ち耳のノーリッチ。
耳の形以外は、とてもよく似ています。

歴史の違い|「積み石」のケアーンと、耳で分かれた2犬種

ケアーン・テリア ノーリッチ・テリア ノーフォーク・テリア
もとの仕事 岩場の穴や積み石の中のキツネやアナグマを追い出す 穴にひそむ小型の獣を狩る。キツネ・アナグマ・ネズミ猟にも 巣穴にもぐってキツネやネズミと向き合う
歴史 もっとも古いテリアのひとつと考えられている 1932年に英国ケネルクラブに登録。そのころは垂れ耳と立ち耳の両方がいた 1964年にノーリッチから分けられ、垂れ耳のタイプにこの名前がついた
生まれ スコットランド。名前は「積み石」のこと 1800年代前半〜半ばは、ノーフォークと区別されない農場の犬 19世紀後半、ノーフォーク州の州都ノーリッチ市で生まれた

ケアーンは、スコットランドを代表する地名がほかの犬種に先に使われていたため「ケアーン(積み石)」と名乗った、とJKCの紹介にありました。ジェームズ1世がこの犬を贈り物にするとき、2隻以上の船に分けて乗せるよう命じたほど大切にされていたそうです。

ノーリッチとノーフォークは、1800年代前半〜半ばには区別されない農場の犬でした。1932年に「ノーリッチ・テリア」として登録されたときは垂れ耳と立ち耳の両方がいて、1964年に垂れ耳のほうが「ノーフォーク・テリア」として分かれました。アメリカのケネルクラブで別の犬種として認められたのは1979年です。

なお、白いウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア(ウエスティ)は、ケアーンから生まれた白い子犬がもとになったとされています。

小麦色のケアーン・テリアと白いウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアを並べて比べたイラスト
左がケアーン・テリア、右がウエスティ。
ケアーンの毛色は、クリームやウィートンなど。

毛色と犬種標準の違い|「名誉の傷跡」はノーリッチとノーフォーク

ケアーン・テリア ノーリッチ・テリア ノーフォーク・テリア
毛色 クリーム、ウィートン、レッド、グレー、黒に近いグレー(ブリンドルも可) あらゆるシェードのレッド、ウィートン、ブラック&タン、グリズル レッド、ウィートン、ブラック&タン、グリズル
好ましくない毛色 単色の黒、白、ブラック・タン — 白い斑(望ましくないが許容)
犬種標準の特徴 「自然な外貌」が求められる 「名誉の傷跡」は減点しない 「名誉の傷跡は認められる」

毛色で見分けるなら、グレーやクリームがいるのはケアーン、ブラック&タンやグリズルがいるのはノーリッチとノーフォークです。ケアーンはブラック・タンが好ましくないとされていて、ここは正反対でした。

ノーリッチとノーフォークの犬種標準には、作業中に受けた「名誉の傷跡」を減点しないという一文があります。もとは同じ犬種だった2つが、働く犬としての姿をそのまま受け継いでいることがわかります。

性格の違い|陽気で恐れ知らず、でもみんな頑固

ケアーン・テリア ノーリッチ・テリア ノーフォーク・テリア
犬種標準の性格 活発で勇敢、大胆で恐れを知らず、陽気。独立心はあるが攻撃的ではない 陽気で恐れを知らず、愛らしい。けんか好きではなく、とても活発 小さな「いたずらっ子」。愛らしく、けんか好きではない。機敏で恐れを知らない
解説でよく言われること 明るく人を喜ばせるのが大好き。子どもとも仲良くできる。頑固で自己主張が強い面も 陽気で明るく活発。頑固で気が強い一面も。初心者にはやや飼いづらい 人にもほかの犬にも寛容。子どもにも親切。頑固でマイペース。小動物との同居は注意

3犬種とも、犬種標準の性格には「恐れを知らない」という言葉が入っていました。小さな体で穴にもぐり、獣と向き合ってきたテリアらしさです。

そして、解説ではどれも頑固と書かれていました。強く叱るより、ほめて教えるほうが向いていそうです。ノーフォークは狩猟本能から、ハムスターや小鳥などの小動物との同居に注意が必要とされていました。性格には個体差があるので、あくまで一般にそう言われている、というお話です。

お世話の違い|3犬種とも硬い毛のお手入れが必要

ケアーン・テリア ノーリッチ・テリア ノーフォーク・テリア
散歩 — やや多め(2〜2.5時間程度) 30分程度を1日2回
ブラッシング 2、3日に1回 — 2、3日に1回
シャンプー 月1回程度 — 1か月に1回程度
毛のお手入れ トリミングが必要。「自然な外貌」に整える プラッキングが必要(やや難しい) 古い毛を抜く「プラッキング」
抜け毛 — 普通程度 —

3犬種とも、硬い毛を自然な姿に整えるお手入れが必要です。ノーリッチとノーフォークは、古い毛を指や道具で抜いて整えるプラッキング。はさみやバリカンで切るカットとは考え方がちがい、毛の色があせるのを防ぎ、毛質を硬く保てるそうです。

プラッキングは対応できるサロンが限られることもあるので、迎える前に近くで頼めるお店を探しておくと安心です。散歩の目安は解説によって書き方がちがいましたが、どの犬種も毎日しっかり歩いて気持ちを発散させてあげたいですね。

ハル

垂れ耳のノーフォークのことはこちら🐕
ノーリッチとの違いと、プラッキングのお手入れをまとめました。

かかりやすい病気の違い|ケアーンは出血と股関節、ノーフォークは心臓

病気 ケアーン・テリア ノーリッチ・テリア ノーフォーク・テリア
フォン・ヴィレブランド病(血が止まりにくい) ○ — —
レッグ・ペルテス病(大腿骨頭壊死症) ○ — —
白内障・緑内障 ○ — ○
膝蓋骨脱臼 — ○ ○
皮膚炎・脂漏症 — ○ ○
中高齢の内分泌疾患 — ○ —
心臓の病気(肥大型心筋症など) — — ○

「○」は、図鑑の記事で気をつけたい病気として挙げたものです。

ケアーンは血が止まりにくいフォン・ヴィレブランド病が挙げられていました。避妊・去勢手術や抜歯など、出血をともなう処置の前には、この犬種であることを伝えて相談しておくと安心です。

ノーリッチとノーフォークは、どちらも膝と皮膚が共通していました。ノーフォークは心臓の病気も挙げられていて、せきをする、疲れやすい、散歩をいやがるといった様子があれば早めに受診を。

ここに挙げたのはあくまで気づくためのきっかけで、診断ではありません。気になる様子があれば動物病院に相談してください。

ケアーン・ノーリッチ・ノーフォーク、よくある質問

Q. ノーリッチとノーフォークの見分け方は?
A. 耳です。立ち耳がノーリッチ、垂れ耳がノーフォーク。1964年に耳の形で2つの犬種に分けられました。

Q. ケアーンとノーリッチの見分け方は?
A. どちらも立ち耳ですが、ケアーンは体高約28〜31cmとひとまわり大きく、毛色にグレーやクリームがいます。ノーリッチは理想の体高が25cmで、ブラック&タンやグリズルがいます。

Q. いちばん小さいのは?
A. ノーリッチ(理想25cm)とノーフォーク(理想25〜26cm)がほぼ同じで、どちらも「もっとも小さいテリアのひとつ」とされています。

Q. 日本でいちばん多いのは?
A. JKCの2025年の登録では、ノーフォークが169頭、ケアーンが82頭、ノーリッチが39頭でした。

ハル

似ている犬種くらべ、鼻の短い2犬種も🐕
ペキニーズと狆を表で比べました。

あんず

垂れ耳がノーフォークさん、大きめがケアーンさん、もう見分けられるの!
あんずも、3びきとかけっこしたいもん!

ハル

似ていても、耳と大きさと毛色で見分けられたね。
次も、似ている犬種どうしを比べてみるね。

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