ところが犬種標準を読むと、ミニピンはドイツの「ピンシャーとシュナウザー」、イタグレはイタリアの「サイトハウンド」と、まったく別の仲間でした。ミニピンの成り立ちには、イタグレも交配されたと紹介されています。
この記事では、犬種図鑑で調べた2犬種の大きさ・耳と毛色・性格・寒さと運動・気をつけたい病気の違いを表でまとめます。
ハル
犬種図鑑の記事を並べて、違いを調べてみたよ。
あんず
でも、お耳の形がちがうの!
レオ
生まれた国も、ドイツとイタリアでちがうんだよ。
タル吉
ネズミ捕りの犬と、走る犬か。
ハル
じゃあ、表から順番に見ていこうね。
ミニピンとイタグレの違いを表で比較|大きさ・原産・分類
国際畜犬連盟(FCI)の犬種標準と、ジャパンケネルクラブ(JKC)の2025年の登録頭数を並べました。
数字は、犬種図鑑の各記事(ミニチュア・ピンシャー・イタリアン・グレーハウンド)で調べたものです。
平均寿命は、アニコム損保の2021年度のデータ(家庭どうぶつ白書2023)によるものです。
体重はほとんど同じなのに、背の高さはイタグレのほうが上でした。イタグレは体高32〜38cmで体重は最高5kg。背は高いのにとても軽いのがこの犬種の形で、体高が32cm未満、または38cmを超える犬は失格とまで決められています。ミニピンは体高25〜30cmで、体はできるだけ正方形に近いのが理想とされていました。
日本での登録はほぼ同じくらいで、イタグレが20位、ミニピンが22位と並んでいます。
生まれと歴史の違い|ドイツの農場の犬と、ファラオの宮廷の犬
ミニピンの起源は1700年代のドイツ。農場でネズミ捕りや番犬として活躍していたそうです。見た目から「ドーベルマンの子」と勘違いされることが多いものの、実はドーベルマンよりも前に誕生していて、同じジャーマン・ピンシャーを祖先に持つため似ているだけ、と獣医師監修の解説にありました。FCIの犬種標準では「ジャーマン・ピンシャーを小さくした姿」とされています。
イタグレは、古代エジプトのファラオの宮廷にすでにいた小型のサイトハウンドの子孫です。ギリシャを通って紀元前5世紀の初めにイタリアへ渡り、ルネッサンス時代の貴族の宮廷でいちばん発展した、とFCIの標準に書かれていました。小型化や第二次世界大戦の影響で一時は絶滅の危機にあり、それを救ったのはアメリカに渡っていたイタグレたちだったそうです。
おもしろいのは、ミニピンの成り立ちについて、ダックスフンドやイタリアン・グレーハウンドも交配されたと紹介されていたことです。似ているのには、そんな理由もあるのかもしれません。

左は赤の単色、右はブラック&タンです。
耳と毛色の違い|見分けるならここ
いちばん分かりやすいのは耳です。ミニピンの耳はぴんと立ち、イタグレはふだん耳を折りたたんで、うなじのほうへ後ろに寝かせています。イタグレは何かに注意を向けると耳の付け根が立ち上がって先が横へ張り出し、「フライング・イヤー」や「プロペラ・イヤー」と呼ばれる形になります。
毛色もちがいます。ミニピンのブラック&タンは、目の上、のどの下、足首、足先などに模様が入り、胸に左右そろった2つの三角形があるのが目印。イタグレは単色が基本で、白が許されるのは胸と足だけ、色がいくつも混ざった毛は失格とされていました。

立ち耳のミニピンとは、ここで見分けられます。
性格の違い|大胆なミニピン、繊細なイタグレ
性格の書かれ方は、かなりちがいました。ミニピンは自分より大きな相手にもひるまず立ち向かう強い性格とされ、見知らぬ相手には吠えたり攻撃的になったりすることもあるそうです。ネズミ捕りと番犬の仕事をしていた歴史が、そのまま性格に残っているのかもしれません。
イタグレは子どもやほかのペットとも仲良くできる子が多い一方、ストレスをためてしまう子もいるとされていました。乱暴な言葉や体罰は絶対に避け、穏やかに冷静に進めること。賢い犬なので覚えるのも早い、とのことです。
性格には個体差があるので、あくまで一般にそう言われている、というお話です。
お世話の違い|どちらも寒さに弱く、イタグレは走る場所がほしい
どちらも寒さ対策がいちばん大事な犬種でした。冬は服を着せ、散歩や夜の寝床の温度に気を配ることがすすめられています。
運動のさせ方はちがいます。ミニピンは毎日短時間でも散歩をすることがすすめられている一方、イタグレは全力で走れる場所で遊ばせることがすすめられ、ルアー(疑似餌)を追いかけて走る「ルアー・コーシング」というドッグスポーツも紹介されていました。ただし動くものを見ると追いかけてしまう傾向があるので、散歩ではリードをしっかり持つ必要があります。
イタグレは首がとても細いため、散歩で引っ張ると首に負担がかかるそうです。引っ張らないしつけと、幅の広い首輪がすすめられていました。
ハル
かかりやすい病気の違い|イタグレは骨折、ミニピンは成長期の股関節
「○」は、図鑑の記事で気をつけたい病気として挙げたものです。
イタグレは骨折が多い犬種です。「家庭どうぶつ白書2018」のデータでは、小型犬の中でもイタリアン・グレーハウンドの骨折が多いとされていました。折れやすいのは前足の手首から肘までの骨で、生後6〜11か月の成長期に、ソファからのジャンプの着地失敗や抱っこ中の転落で起きることがほとんどだそうです。
ミニピンで気をつけたいのは、股関節の骨が壊死するレッグ・カルベ・ペルテス病。発症しやすいのは生後6〜11か月ごろで、後ろ足を引きずる、かばう様子に気づいたら早めの受診がすすめられていました。どちらも子犬のうちは、滑る床と段差に気をつけてあげたいですね。
ここに挙げたのはあくまで気づくためのきっかけで、診断ではありません。気になる様子があれば動物病院に相談してください。
ミニピンとイタグレ、よくある質問
Q. ミニピンとイタグレ、どっちが大きい?
A. 背が高いのはイタグレで、体高32〜38cm。ミニピンは25〜30cmです。体重はミニピンが4〜6kg、イタグレが最高5kgで、ほとんど変わりません。
Q. 見分け方は?
A. 耳を見ると分かります。ミニピンは耳がぴんと立ち、イタグレはふだん耳を後ろに寝かせています。毛色も、ミニピンは赤の単色かブラック&タン、イタグレはブラック・グレー・イザベラの単色です。
Q. ミニピンはイタグレの仲間?
A. FCIの分類では、ミニピンは第2グループの「ピンシャーとシュナウザー」、イタグレは第10グループの「サイトハウンド」で別の仲間です。ただ、ミニピンの成り立ちにはイタグレも交配されたと紹介されています。
Q. どちらが寒さに弱い?
A. どちらも毛が短く、寒さに弱い犬種です。冬は服や寝床の暖かさで調整してあげてください。
ハル
あんず
あんずも、寒い日はきゅっとまるくなって寝るの!
ハル
次も、似ている犬種どうしを比べてみるね。









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