フレンチブルドッグの性格と飼いやすさは?呼吸・暑さ・皮膚を飼い主が調べた

フレンチブルドッグとシーズーのあんず、トイプードルのレオが並ぶイラスト(フレンチブルドッグの性格と飼いやすさ) 犬の健康と行動
つぶれた鼻にコウモリのような立ち耳、がっしりした体で人気のフレンチ・ブルドッグ。調べ始めて驚いたのは、2023年に改訂された国際畜犬連盟の犬種標準に「呼吸困難(Respiratory distress)」が失格の項目として入っていることでした。鼻についても、「普通に鼻で呼吸できなければならない」とはっきり書かれています。
かわいい鼻ぺちゃの顔は、呼吸のしづらさや暑さへの弱さと背中合わせ。犬種標準そのものが、そこに気をつけるよう書き直されていたんですね。
この記事では、ジャパンケネルクラブと国際畜犬連盟の犬種標準をたどりながら、生い立ち・毛色・性格・呼吸と暑さ・皮膚・かかりやすい病気・迎え方までをまとめます。トイプードルのレオとシーズーのあんずと暮らしている立場からの実感もまじえました。

ハル

フレンチブルドッグの犬種の決まりに、「普通に鼻で呼吸できること」って書いてあるんだって。
鼻ぺちゃさんには、息のしやすさがいちばん大事なんだね。

あんず

あんずもお鼻、ちょっと短いんだよ?
夏はハアハアしちゃうの、あんずも同じだもん!

レオ

そうだね、シーズーも鼻の短い短頭種の仲間なんだよ。
だからフレンチブルドッグの話は、あんずにも当てはまるところが多いんだ。

タル吉

ふむ……暑い日は、日陰でじっとしておるのがいちばんじゃ。
わしは急がぬから、息が上がることもないがのう。

ハル

ふふ、そうだね。じゃあフレンチブルドッグのこと、あんずやレオと比べながら見ていこうね。
あんずのためにも、暑さと呼吸の話はしっかり調べてきたよ。

フレンチブルドッグってどんな犬?パリの下町生まれの小さなモロシアン

原産国はフランスです。ジャパンケネルクラブ(JKC)の犬種標準によると、フレンチ・ブルドッグは1880年代にパリの下町で、熱心なブリーダーたちの交配から生まれました。はじめは市場の人夫や肉屋、御者に飼われていた犬で、その独特の姿と性格から、やがて上流社会や芸術家の世界にも広まっていったそうです。

日本では、JKCの2025年の犬籍登録頭数で9,578頭、第7位です。

項目 フレンチ・ブルドッグの犬種標準(JKC/FCI)
原産国 フランス
体高(FCI) オス27〜35cm、メス24〜32cm
体重(FCI) オス9〜14kg、メス8〜13kg
被毛 短く、体に密着し、つやがあってやわらかい。下毛なし
見た目 しし鼻、直立した耳、生まれつき短い尾

体重はオス9〜14kgと、これまで調べてきた犬種のなかでいちばん重い部類です。小さくても筋肉質でがっしりした犬だと標準に書かれていました。

2023年の犬種標準|「普通に鼻で呼吸できること」

暑い日に涼しい室内の床で冷却マットの上に寝そべるフレンチブルドッグとシーズーのあんずのイラスト
鼻の短い犬にとって、夏の暑さはいちばんの大敵。
涼しい室内でゆっくり過ごすのが基本です。

国際畜犬連盟(FCI)の犬種標準は、2023年に改訂されています。そこには、鼻について次のように書かれていました。

  • 鼻は黒く、広く、しし鼻で、鼻の穴は左右対称によく開いている
  • 鼻の穴の傾きや上向きの鼻は、普通に鼻で呼吸できるものでなければならない
  • 外貌と歩き方の全体の調和を損なうような誇張があってはならない

そして失格の項目には、「完全に閉じた鼻の穴」「呼吸困難」「難聴」が挙げられていました。
かわいさのために鼻を極端に短くしていくのではなく、健康に呼吸できることを前提にする——犬種標準がはっきりその方向を示している、ということだと思います。

毛色は、フォーン(淡い茶色)とブリンドル(虎のような縞模様)、そしてそれぞれに白い斑があるもの(パイド、フォーン・アンド・ホワイト)です。JKCの標準には、白一色の個体は難聴のリスクがあるため繁殖には適さないとも書かれていました。

いちばん気をつけたいのは暑さ|短頭種気道症候群と熱中症

フレンチブルドッグのように鼻の短い犬は短頭種と呼ばれます。湘南ルアナ動物病院(福永信幸院長)の解説では、フレンチブルドッグに多い病気の筆頭に短頭種気道症候群が挙げられていました。鼻の穴が狭い、のどの奥の軟口蓋が長いなど、空気の通り道が狭くなる状態がいくつか重なったものです。

アニコム損保の解説でも、フレンチ・ブルドッグは軟口蓋過長がほかの犬種より多いとされ、短い鼻のために呼吸がしづらく、体温調節が苦手なので暑さに弱いと説明されていました。

なぜ暑さに弱いのか

犬は人のように全身で汗をかけないので、主に口を開けた呼吸(パンティング)で体の熱を逃がします。ところが空気の通り道が狭い短頭種では、この呼吸がうまくいかず、熱がこもりやすいのです。夏の熱中症は、とくに注意が必要とされています。

家庭でできること

  • 夏はエアコンで室温を管理し、留守中も切らない
  • 散歩は早朝や夜の涼しい時間に。日中のアスファルトは避ける
  • 興奮させすぎない、激しい運動をさせすぎない
  • 首輪ではなくハーネスを使い、のどを圧迫しない
  • 体重を増やしすぎない(のどまわりの脂肪は気道を狭くする)
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いびきや「ブーブー」「ゼーゼー」という呼吸音がいつもしている、少し動いただけで苦しそう、といった様子があれば、動物病院で相談してみてください。呼吸が苦しそう、舌の色が紫っぽい、ぐったりしているときは、急いで受診が必要です。

あんず(シーズー)も短頭種の仲間なので、この話はわが家にもそのまま当てはまります。夏の暑さ対策は、フレンチブルドッグに限らず短頭種みんなの課題です。

フレンチブルドッグの性格|社交的で遊び好き、でも独占欲も

JKCの犬種標準には、性格が「社交的、且つ、活発で、遊び好きで、独占欲が強く、鋭敏なコンパニオン・ドッグである」と書かれています。

アニコム損保の解説でも、社交的で遊び好き、子どもとも仲よくできる一方で、興奮しやすく、独占欲が強く、ほかの犬と張り合うこともあるとされ、子犬のうちからの社会化と基本的なしつけが大切だと書かれていました。「独占欲」という言葉が標準にわざわざ入っているのは、これまでの犬種にはなかった特徴です。

多頭飼いはどうか

人なつこく遊び好きなので、ほかの犬とも仲よくできる子は多いと考えられます。ただ、おもちゃやごはん、飼い主さんをめぐって張り合うこともあるとされるので、それぞれの食器・寝床・おもちゃを分けるのが基本になりそうです。
体重はレオやあんずより重く、力も強いので、体の小さな子と遊ぶときは勢いに気をつけたいところです。多頭飼いの様子はトイプードルとシーズーの多頭飼いで紹介しています。

しわと皮膚のお手入れ|短毛でも抜け毛は多い

FCIの犬種標準では、被毛は「短く、体に密着し、つやがあってやわらかい。下毛なし」とされています。トリミングは必要ありませんが、アニコム損保の解説では抜け毛が多いので、こまめなブラッシングが必要とされていました。

もうひとつ大事なのが皮膚です。湘南ルアナ動物病院の解説では、フレンチブルドッグに多い病気として皮膚炎が挙げられ、顔のしわが蒸れて菌が増えやすい環境になると説明されていました。

  • 顔のしわの間を、やわらかい布でやさしくふいて乾かしておく
  • 定期的なシャンプーで皮膚を清潔に保つ
  • 赤み・かゆみ・脂っぽいにおいがあれば早めに相談する

短毛で下毛がない被毛は、マルチーズやパピヨンと同じ「シングルコート」の仲間です。それでも抜け毛は多いと言われるので、下毛がない=抜けない、ではないことがここでもわかりました。

そのほかフレンチブルドッグがかかりやすい病気

湘南ルアナ動物病院とアニコム損保の解説で挙げられていたものを整理しました。

気をつけたいこと どんな状態か 家庭で気づけるサイン
背骨の形の異常 生まれつき背骨の形に異常があることが多いとされる 歩き方がぎこちない、ふらつく
目の病気(角膜潰瘍・チェリーアイなど) 大きく出た目が傷つきやすい 目やにや涙が多い、目をこする、赤い
肥満細胞腫 皮膚にできる腫瘍のひとつ 皮膚のしこり(赤い、かゆい、大きさが変わる)
耳の病気(中耳炎・耳血腫など) 耳の中の炎症や、耳に血がたまる 耳をかく、頭を振る、耳がふくらむ

家庭でできること

  • 高いところからの飛び降りをさせない。床に滑り止めを敷く
  • 目をこすっていないか、目やにや涙の量を見ておく
  • 皮膚のしこりに気づいたら、早めに診てもらう

ここに挙げたのはあくまで気づくためのきっかけで、診断ではありません。あてはまるところがあっても自己判断はせず、気になる様子があれば動物病院に相談してください。

フレンチブルドッグを迎えるときに知っておきたいこと

呼吸のしやすさを確認する

子犬を迎えるときは、静かにしているときの呼吸音を聞いてみるのがおすすめです。鼻の穴が極端に狭くないか、親犬に呼吸の問題がないかも、ブリーダーさんに聞いておくと安心です。犬種標準が「普通に鼻で呼吸できること」を求めているのと同じ目線です。

「8週齢」のルール

環境省が定める動物愛護管理法では、繁殖業者が生まれてから56日(8週齢)を過ぎない子犬を、販売のために引き渡したり展示したりすることは禁止されています(令和3年6月1日施行)。どの経路で迎えるにしても共通の決まりです。

迎え方の3つの道

迎え方 いいところ 気をつけること
ブリーダー 親犬の呼吸の様子や健康状態を確認できる 親犬に呼吸の問題や難聴がないか聞いておきたい
ペットショップ 立ち寄りやすく、用品をまとめて揃えられる 親犬や繁殖環境を確認しにくい。健康診断の内容を確認したい
保護犬 成犬なら体格や性格が分かったうえで迎えられる 譲渡には審査やトライアル期間があるのが一般的

子犬の価格は血統や毛色で幅がとても大きく、信頼できる形で「いくら」と書ける情報が見つかりませんでした。検討される際はご自身で最新の情報を確認してください。フレンチブルドッグの場合は、夏のエアコン代や、皮膚・呼吸のための通院費も見込んでおくと安心です。

レオ・あんずと比べて|10犬種を調べて見えてきたこと

トイプードルのレオ、シーズーのあんず、フレンチブルドッグの体格の違いを並べて比べたイラスト
左からレオ、あんず、フレンチブルドッグ。
背はあまり変わらなくても、体の厚みがまるで違います。

10犬種を調べてきて、フレンチブルドッグはあんずといちばん共通点が多い犬種だと感じました。どちらも鼻の短い短頭種だからです。

  • 暑さに弱い…夏の散歩は早朝、室温管理は必須
  • 呼吸の音に気をつける…いびきやブーブー音が増えていないか
  • 目が大きく出ている…目のトラブルに気をつける

一方で違うのは被毛です。あんずは毛が伸び続けるのでトリミングが欠かせませんが、フレンチブルドッグは短毛でカットは不要。そのかわり顔のしわと皮膚のケアが毎日の仕事になります。

犬種の情報は、あくまで入口だと思っています。それでも傾向を知っておくと、迎えたあとの暮らしがぐっと想像しやすくなります。ほかの犬種はミニチュアシュナウザーの性格と飼いやすさは?キャバリアの性格と飼いやすさは?ポメラニアンの抜け毛は多い?柴犬の性格と飼いやすさは?にまとめました。

フレンチブルドッグについてよくある質問

寿命はどのくらい?

アニコム損保の解説では、アニコム「家庭どうぶつ白書2023」をもとに11.2歳と紹介されていました。犬全体の平均(14.2歳)と比べると短めです。

トリミングは必要?

短毛なのでカットは必要ありません。そのかわり、抜け毛が多いのでこまめなブラッシングと、顔のしわのお手入れが必要です。

夏はエアコンをつけっぱなしにすべき?

暑さに弱い短頭種なので、夏場は留守中も含めて空調を切らない前提で考えたほうが安全です。散歩も早朝や夜の涼しい時間にします。

いびきをかくのは普通?

短頭種はいびきをかきやすいと言われますが、呼吸音がいつもうるさい、少しの運動で苦しそう、という場合は短頭種気道症候群のこともあります。気になるときは動物病院で相談してみてください。

あんず

フレンチブルドッグちゃんとあんず、お鼻の仲間だったんだね!
夏はいっしょに、すずしいお部屋でごろごろしたいもん!

ハル

そうだね、あんず。暑い日は無理しないで、いっしょに涼しく過ごそうね。
これで10犬種目。次はどの子のことを調べようかな。

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