ジャパンケネルクラブ(JKC)の犬種標準を読むと、性格は「自信に満ち、全体的に落ち着いており(怒った時以外)、性格が良く、注意深く、訓練しやすい」。一方でアニコム損保の解説には、「初心者が飼うには難しい犬種」とはっきり書かれていました。
この記事では、JKCの犬種標準、アニコム損保の解説、岐阜大学動物病院などの情報をたどりながら、歴史・性格・しつけと運動・変性性脊髄症(DM)をはじめとする病気・迎え方までをまとめました。
ハル
警察犬でおなじみの、あの凛とした犬だね。
あんず
あんずも、おまわりさんになれる?
レオ
シェパードはもともとドイツの羊飼いの犬なんだって。「シェパード」は「羊飼い」っていう意味なんだよ。
タル吉
まじめな顔つきをしておるのう。
ハル
痛みがないまま後ろ足が弱っていく「変性性脊髄症」は、最初にシェパードで報告された病気なんだって。順番に紹介していくね。
ジャーマン・シェパード・ドッグってどんな犬?ドイツの牧羊犬から警察犬へ
ジャパンケネルクラブ(JKC)の犬種紹介によると、ジャーマン・シェパード・ドッグの計画的な繁殖は、1899年にジャーマン・シェパード・ドッグ協会ができてから始まりました。ドイツの中部と南部のハーディング・ドッグ(牧羊犬)をもとに、もっとも要求の多い使役作業に向く犬をつくることを目標にしたそうです。
最初のスタンダードは1899年9月20日、フランクフルトで開かれた協会の最初の総会で、A・メイヤーとフォン・ステファニッツ中尉の提案をもとに作られました。
アニコム損保の解説によると、その能力の高さから警察犬や災害救助犬などの使役犬として幅広く活躍している犬種です。
JKCの2025年の犬籍登録頭数では、ジャーマン・シェパード・ドッグは369頭で第36位でした。
ジャーマン・シェパードの性格|落ち着いていて、訓練しやすい
JKCの犬種標準では、性格は「安定した性格で、バランスが取れていて、大胆である。自信に満ち、全体的に落ち着いており(怒った時以外)、性格が良く、注意深く、訓練しやすい」とされていました。
さらに、コンパニオン・ドッグ、ガード・ドッグ、使役犬、ハーディング・ドッグ、“シュッツフント”(防衛犬)としての適性を持つために、勇気と闘志、タフさが備わっていなければならない、とも書かれています。
アニコム損保の解説でも、飼い主に忠実で、言うことをよく聞くとても賢い犬種で、落ち着きと攻撃性を両方持つけれど、訓練しだいでコントロールできる賢さを持つと紹介されていました。性格には個体差があるので、あくまで一般にそう言われている、というお話です。
ジャーマン・シェパードのお世話|しつけと運動

子犬のころから少しずつ教えていきます。
「賢いから、しつけなくていい」わけではない
アニコム損保の解説では、シェパードは賢いからしつけをしなくてもいいわけではないとされていました。遊びやいたずらも好きなので、そうした欲求を訓練で満たしてあげることが飼うときのポイントだそうです。
そして、成長して体が大きくなると、大人の男性でも力で制御することはできなくなるので、子犬のころから社会化と、お座り・伏せ・待て・おいでなどのオビディエンス・トレーニングをしっかり行い、散歩のときに指示に従って歩く練習もしておくようすすめられていました。
体の運動と、頭の運動
同じ解説では、運動能力が高いので、散歩やドッグランで自由に走らせる運動と、頭を使ったトレーニングを組み合わせる必要があるとされていました。オビディエンス競技やアジリティなどのドッグスポーツもおすすめされています。
アニコム損保の解説のまとめには、「初心者が飼うには難しい犬種」とはっきり書かれていました。
被毛はダブルコート
アニコム損保の解説によると、被毛は寒さに強いダブルコートで、上の毛は硬い直毛です。JKCの犬種標準でも、下毛は明るいグレーがかった色とされています。
変性性脊髄症(DM)|痛みがないまま、後ろ足が弱っていく病気
岐阜大学動物病院の神経科の解説によると、変性性脊髄症(DM)は痛みを伴わず、ゆっくりと進行する脊髄の病気で、ジャーマン・シェパードに多い病気として、1973年に初めて報告されました。原因となる遺伝子の異常(SOD1)も見つかっているそうです。
家庭で気づけるサイン
同じ解説では、はじめのころのサインとして次のようなことが挙げられていました。
- 後ろ足をすって歩く。アスファルトの上だと、爪が地面にすれる音が聞こえる
- 爪の上側がすれて減ってくる
- 立ち止まったとき、足先がひっくり返ったままになっている(ナックリング)
- 腰がふらふらして、足がもつれる
岐阜大学の解説によると、これらは椎間板ヘルニアなどほかの病気でも見られるので、こうした様子があれば動物病院で精密検査を受けることが大切だそうです。また、痛みがないので、犬は後ろ足が弱っても前に歩こうとします。
アニコム損保の解説でも、シェパードは遺伝病である変性性脊髄症(DM)が多い犬種で、両親犬の遺伝子を調べて、かかる可能性のある子を増やさないよう取り組みが進められていると紹介されていました。コーギーでも同じ病気が知られています。
そのほかに気をつけたい病気|股関節・胃捻転・薬の量
アニコム損保の解説では、DMのほかに気をつけたい病気として、股関節形成不全、腎嚢胞腺癌、血管肉腫、胃拡張胃捻転が挙げられていました。
胃捻転は、夜でも救急へ
ダクタリ動物病院 東京医療センターの解説では、胃拡張・胃捻転症候群が起こりやすい犬種としてジャーマン・シェパードも挙げられていました。いちばん特徴的なのは「吐きたそうにするけど吐けない」様子で、数時間で急に悪くなります。
「イベルメクチン」の量に注意
アニコム損保の解説によると、シェパードはイベルメクチン中毒に注意したい犬種とされています。フィラリア予防薬に使われる量は比較的少量ですが、疥癬(かいせん)や毛包虫症の治療で使うときは高用量になるので注意が必要だそうです。不安なときは獣医師に相談しましょう。
ここに挙げたのはあくまで気づくためのきっかけで、診断ではありません。あてはまるところがあっても自己判断はせず、気になる様子があれば動物病院に相談してください。
ジャーマン・シェパードを迎えるときに知っておきたいこと
「8週齢」のルール
環境省が定める動物愛護管理法では、繁殖業者が生まれてから56日(8週齢)を過ぎない子犬を、販売のために引き渡したり展示したりすることは禁止されています(令和3年6月1日施行)。
迎え方の3つの道
子犬の価格は時期やお店によって変わります。検討される際はご自身で最新の情報を確認してください。
わが家の視点|ボーダーコリー、シェルティと比べてみた

背中の高さは2倍以上ちがいます。
シェパードの体高はオスで60〜65cm。シーズーの犬種標準は27cm以下、トイプードルは24cm超〜28cmなので、あんずやレオの2倍以上の高さになります。
犬種図鑑では、同じ牧羊犬のグループのボーダーコリーやシェルティも調べてきました。どれも「羊飼いと一緒に働いた犬」で、頭を使う仕事が大好き。シェパードはその中でいちばん大きく、羊だけでなく人を守る仕事まで任されるようになった犬なんですね。
同じく警察犬として知られるドーベルマンの記事もあります。
ジャーマン・シェパードについてよくある質問
寿命はどのくらい?
アニコム損保の解説では、「家庭どうぶつ白書2021」の大型犬の平均寿命11.5歳が目安として紹介されていました。犬全体の平均は14.1歳です。
初心者でも飼える?
アニコム損保の解説では「初心者が飼うには難しい犬種」とされています。成犬は大人の男性でも力では抑えられないので、子犬のころからの社会化と訓練が欠かせません。
白いシェパードはいる?
JKCの犬種標準では、ジャーマン・シェパード・ドッグの毛色としてホワイトは許容されていません。
変性性脊髄症は予防できる?
アニコム損保の解説によると、両親犬の遺伝子を調べて、かかる可能性のある子を増やさない取り組みが進められています。迎えるときにブリーダーに聞いてみるとよいでしょう。
この記事で参考にした主な情報
あんず
あんずも、お散歩がんばる!
ハル
これで36犬種目。次は、アメリカン・コッカーとよく比べられる、イングリッシュ・コッカー・スパニエルを調べてみようかな。




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