ミニチュアピンシャーとトイマンチェスターとドーベルマンの違いは?大きさと歴史

黒い毛に赤茶色の模様、ぴんと立った耳。ミニチュア・ピンシャー(ミニピン)、トイ・マンチェスター・テリア、ドーベルマンは、大きさがちがうだけの同じ犬のように見えます。

でも犬種標準を並べると、ミニピンとトイ・マンチェスター・テリアは背の高さがほぼ同じ25〜30cmなのに、生まれた国はドイツとイギリス、分類もピンシャーとテリアで別々でした。そしてミニピンは「小さなドーベルマン」ではなく、ドーベルマンより前に誕生していた犬です。

この記事では、犬種図鑑で調べた3犬種に、ミニピンの元の姿とされるジャーマン・ピンシャーも加えて、大きさ・歴史・毛色・性格・気をつけたい病気の違いを表でまとめます。

ハル

ミニピンとトイマンチェスターとドーベルマン、黒と赤茶色の犬って見分けがつきにくいよね。
犬種図鑑の記事を並べて、違いを調べてみたよ。

あんず

ミニピンちゃんは、ドーベルマンさんの子どもじゃないの?
そっくりなの!

レオ

それがね、ミニピンのほうがドーベルマンより先に生まれた犬なんだって。
似ているのは、同じジャーマン・ピンシャーを祖先に持つからなんだよ。

タル吉

ふむ……トイマンチェスターは、またちがう国の犬だそうじゃな。
見た目だけで親戚と決めつけてはいかんのう。

ハル

そうなんだ。イギリスのテリアなんだよ。
じゃあ、表から順番に見ていこうね。

ミニピン・トイマンチェスター・ドーベルマンの違いを表で比較|大きさ・原産国

犬種標準と、ジャパンケネルクラブ(JKC)の2025年の登録頭数を並べました。

数字は、犬種図鑑の各記事(ミニチュア・ピンシャー・トイ・マンチェスター・テリア・ドーベルマン・ジャーマン・ピンシャー)で調べたものです。

ミニチュア・ピンシャー トイ・マンチェスター・テリア ドーベルマン ジャーマン・ピンシャー
原産国 ドイツ イギリス ドイツ ドイツ
分類(FCI) ピンシャーとシュナウザー テリア — —
体高 25〜30cm 理想25〜30cm オス68〜72cm
メス63〜68cm
45〜50cm
体重 4〜6kg 理想2.7〜3.6kg オス約40〜45kg
メス約32〜35kg
14〜20kg
毛色(犬種標準) 赤の単色、またはブラック&タン ブラック・アンド・タンだけ ブラックまたはブラウンに赤褐色(タン)のマーキング ディアー・レッド〜ダーク・レッド・ブラウンの単色、またはブラック・アンド・タン
JKC登録(2025年) 2,981頭・第22位 136頭・第57位 427頭・第32位 49頭・第80位

「—」は、図鑑の記事に載せていないところです。

ミニピンとトイ・マンチェスター・テリアは、体高がどちらも25〜30cm。並べると背の高さはほとんど変わりません。ちがうのは体重で、ミニピンは4〜6kg、トイ・マンチェスター・テリアは理想2.7〜3.6kgと、ひと回り軽い犬です。

ドーベルマンはオスで68〜72cm、ジャーマン・ピンシャーは45〜50cmの中型犬。日本での登録は、ミニピンがいちばん多く2,981頭でした。

トイ・マンチェスター・テリアとシーズーのあんず、トイプードルのレオを並べて大きさを比べたイラスト
トイ・マンチェスター・テリアと、あんず(シーズー)、レオ(トイプードル)。
背の高さは、わが家の2匹とほとんど変わりません。

歴史の違い|ミニピンは「小さなドーベルマン」ではなかった

  • ミニチュア・ピンシャー:起源は1700年代のドイツ。農場でネズミ捕りや番犬として活躍していた。獣医師監修の解説では、ドーベルマンより前に誕生していて、同じジャーマン・ピンシャーを祖先に持つため見た目が似ているだけとされる
  • トイ・マンチェスター・テリア:19世紀中ごろのイギリスで、ネズミを捕る目的でつくられた。小さくしようとしすぎて体の弱い犬が生まれるようになり、20世紀に体重の制限をゆるめてから健康な犬が育つようになった。イギリスでの呼び名は「イングリッシュ・トイ・テリア」
  • ドーベルマン:最初の繁殖者、フリードリッヒ・ルイス・ドーベルマン(1834〜1894年)の名前がついたドイツの犬。20世紀の初めに警察犬として正式に認められた
  • ジャーマン・ピンシャー:とても古い犬種で、1880年にはドイツのスタッドブックに記載されていた。祖先はスタンダード・シュナウザーと同じ「ラフ・コーテッド・ピンシャー」

国際畜犬連盟(FCI)の犬種標準では、ミニピンは「ジャーマン・ピンシャーを小さくした姿。ただし、小人のように見える欠点はない」とされていました。ドーベルマンを小さくしたのではなく、ジャーマン・ピンシャーを小さくした犬なのです。

中型犬のジャーマン・ピンシャーと、それを小さくした姿のミニチュア・ピンシャーを並べたイラスト
左がジャーマン・ピンシャー、右がミニチュア・ピンシャー。
大きな犬を、そのまま小さくしたような姿です。

ハル

ミニピンのこと、もっとくわしく🐾
ドーベルマンより先に生まれた歴史と、寒さ対策をまとめました。

見分け方|赤い単色ならミニピン、トイマンチェスターは黒とタンだけ

黒と赤茶色の模様だと、ミニピンとトイ・マンチェスター・テリアはそっくりです。見分けるときは、まず毛色を見ます。

ミニピンの毛色は2つのタイプがあり、赤の単色(鹿のような赤から濃い赤茶色まで)と、ブラック&タン。トイ・マンチェスター・テリアはブラック・アンド・タンだけが認められています。赤一色の子なら、ミニピンです。

赤茶色の単色のミニチュア・ピンシャーと、黒に赤茶色の模様のブラック&タンのミニチュア・ピンシャーを並べたイラスト
ミニピンの毛色。左は赤の単色、右はブラック&タン。
胸の左右2つの三角形が、ブラック&タンの目印です。

ブラック&タン同士なら、体の重さと分類がヒントになります。ミニピンは体型ができるだけ正方形に近いのが理想とされ、FCIの犬種標準には「トロッター(速歩の犬)」と書かれていました。トイ・マンチェスター・テリアは、ミニピンより軽い2.7〜3.6kgのテリアです。

ドーベルマンは大きさがまったく違います。そして犬種標準では、ドーベルマンの耳もしっぽも「自然のまま」。あのぴんと立った耳は、子犬のうちに手術で切る断耳によるものでした。

性格と寒さ対策の違い|小さな2犬種は寒さに弱い

犬種 犬種標準・解説に書かれている性格
ミニチュア・ピンシャー 活発で、元気いっぱい、自信があり、気分が安定している(FCI)。小さいながら大胆で、よく吠えて飼い主に異常を知らせる(解説)
トイ・マンチェスター・テリア 感覚が鋭く好奇心があり、活発。テリアにしては負けず嫌いなところが少なく、家族には甘えん坊(解説)
ドーベルマン 友好的で、穏やか。家族に非常に忠実(JKC)
ジャーマン・ピンシャー 明るく活発で、物怖じしない安定した気質。賢く忍耐力もある(JKC)

どの犬種も、見知らぬ人やほかの犬に警戒心を見せることがあるとされていました。もとはネズミ捕りや番犬、警察犬として働いてきた犬たちです。子犬のころから、いろいろな人や音に慣らしていきたいところです。性格には個体差があるので、あくまで一般にそう言われている、というお話です。

短い毛は、寒さに弱い

4犬種とも毛が短く、全身のカットはいりません。そのかわり、小さなミニピンとトイ・マンチェスター・テリアは寒さに弱いとされています。ミニピンは毛が短く、筋肉質で脂肪が少ないため、冬は服を着せることがすすめられていました。トイ・マンチェスター・テリアも、短い被毛には保温性がないので寒さ対策は必須とされています。

ふわふわの毛に包まれたあんずやレオとくらべると、冬の散歩や夜の寝床の温度には、もっと気を配ってあげる必要がありそうです。

かかりやすい病気の違い|小さな2犬種は骨折に注意

犬種 解説で挙げられていた主な病気
ミニチュア・ピンシャー 膝蓋骨脱臼、レッグ・カルベ・ペルテス病、骨折、白内障、糖尿病、皮膚の病気、耳介辺縁皮膚症
トイ・マンチェスター・テリア 水晶体脱臼、骨折・関節の病気、椎間板ヘルニア
ドーベルマン 拡張型心筋症、胃拡張・胃捻転
ジャーマン・ピンシャー 股関節形成不全、肥満による靭帯の異常、フォン・ヴィレブランド病(血が止まりにくくなる病気)

小さなミニピンとトイ・マンチェスター・テリアに共通するのが骨折です。トイ・マンチェスター・テリアは脚が細いため若いうちに多いとされ、ミニピンも頻繁なジャンプが骨や関節のトラブルの原因になるとされていました。ソファやベッドからの飛び降りを減らす工夫が大事です。

大きなドーベルマンでは、心臓病専門の動物病院が、症状がなくてもホルター心電図の検査をすすめていました。同じ黒とタンの犬でも、気をつけたい病気はまったく違います。

ここに挙げたのはあくまで気づくためのきっかけで、診断ではありません。気になる様子があれば動物病院に相談してください。

ミニピン・トイマンチェスター・ドーベルマン、よくある質問

Q. ミニピンとトイマンチェスターテリアの違いは?
A. 体高はどちらも25〜30cmですが、原産国はドイツとイギリス、分類はピンシャーとテリアで別の犬種です。体重はミニピンが4〜6kg、トイ・マンチェスター・テリアが理想2.7〜3.6kg。赤の単色はミニピンだけに認められています。

Q. ミニピンはドーベルマンを小さくした犬?
A. いいえ。獣医師監修の解説では、ミニピンはドーベルマンより前に誕生していて、同じジャーマン・ピンシャーを祖先に持つため似ているだけとされています。

Q. ジャーマン・ピンシャーとドーベルマンの違いは?
A. どちらもドイツの犬ですが、大きさが違います。体高はジャーマン・ピンシャーが45〜50cm、ドーベルマンのオスが68〜72cm。体重は14〜20kgと、オス約40〜45kgです。

Q. 寒さ対策は必要?
A. ミニピンとトイ・マンチェスター・テリアは、毛が短く寒さに弱いとされています。冬は服や寝床の暖かさで調整してあげてください。

ハル

似ている犬種くらべ、小さな犬も🐕
チワワ・トイプードル・マルチーズ・パピヨンを表で比べました。

あんず

ミニピンちゃん、ドーベルマンさんの子どもじゃなかったんだね!
トイマンチェスターちゃんは、イギリスのテリアさんなの!

ハル

そっくりに見えても、生まれた国も歴史もちがったね。
次も、似ている犬種どうしを比べてみるね。

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コメント

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